南アルプス 両俣行 2


7月16日

 一昨年,昨年とはね返されてきた間ノ岳。今年三度目の挑戦だ。両俣からのピストンとした。準備は大分前から行っていた。というのも,夏休み中は日にちが取れそうもなかったからだ。それに,梅雨がいつも以上に早く(7月上旬)明けてしまったので,夏休みでは天候が安定しないと考えた。

 朝2時に出発予定であったが,寝過ごした。2時34分発。やはり朝は調子が良い。食事をすると眠くなるだろうからと,食べずに出かけた。これも良かった。

 京都南に4時38分。黒丸でちょっと休んで,5時35分発。恵那トンネルを7時17分。伊那には8時3分に着いた。遅れた出発だったが,仙流荘には9時頃についた。そして,運が良いことに9時30分には臨時便が出た。これによって北沢峠に10時30分頃に着いて,予定が30分早まった。有り難い。

 ここから歩く。分岐まで50分かかるが,下りなので楽だ。ただし,あとあと体調に響かぬよう,ゆっくり歩くことにした。

 今年は昨年より2週間ほど早いからか熱気を感じない。爽やかだ。さらに今年は半ズボンで歩いてみた。これも良かった。それでも,暑いので水があると嬉しくてこんなこともしてしまう。

 昨年一度歩いているコースなので,行程の全体像が把握できているためか疲労感は少ない。遙か下にこれからの道が見えているが溜め息は出てこない。渓を挟んで見えてくるのが北岳?だろうか。

 前白根沢出合には今年もテントがあった。

 林道終点から野呂川に下る道が変わっている。昨年までのように行くと川を徒渉しなければならない。流れが変わったようだ。

 ここまで来れば両俣小屋は近い。

 一年ぶりの両俣小屋とテント場だ。昨年と同じところにテントを張った。

 今年はワインを持っていった。これがなかなか良かった。後は,小屋で購入した缶ビール1本で豊かな夕食が完了した。

 19時にはテントに入ってうたた寝をしていたが,そのうちに寝入ってしまったようだ。

7月17日

 3時30分には行動を開始した。食事を摂ってから出発することにしている。前日から準備をしていたので,全てが済んで出発できたのは,4時50分だった。昨年の失敗を繰り返さない。

 野呂川越えまで1時間。ここに多くの登山者が集結した。あちこちの雑誌に両俣小屋の記事が出ていたからか人気があるようだ。小屋にもかなりの登山者が泊まっていたものな。

 涼しい樹林帯の中を順調に進んでいく。昨年同様のペースだが,出発が40分早いことと,涼しいので気持ちと身体は楽だ。また,水の使用料が少ない。もっとも今年は2.5リットルの水を担いでいるので心配がない。

 天候がとても安定している。昨年以上に雲が出てこない。森林限界を越えると,北アルプスの槍穂高まで見えてきたのには感激した。

 仙塩尾根上で登山者が集うのも珍しい。

 ここから見上げる三峰岳までの稜線が別に苦しくなさそうに思えたのは調子がいいからだろう。

 三峰岳の鞍部に着くと,富士山が姿を現した。有り難い。間ノ岳に登ることができれば,南アルプスで登っていない3000m峰は農鳥岳のみとなる。私のように出発点に戻ってこなければならない場合は,農鳥岳に登るのはきつい。ピストンするにしても4泊5日という日程が確保できないだろうし。

 三峰岳と同じ高度になったかな。天気がいいからのんびり登れる。ハクサンイチゲやミヤマダイコンソウ?等の高山植物が目にとまる。

 目前に頂上に集まる登山者の姿が見えてきた。そして,頂上。3年かかった間ノ岳の頂上だ。

 広い頂上は気持ちがいい。もっとのんびりしてくれば良かった。ということで,来年も間ノ岳を目指すことにしよう。目的は,頂上で昼寝をすることと北岳との間の3000m稜線を楽しむこと。

 北岳がスマートだ。荒川岳と塩見岳もよく見える。悪沢岳と中岳のギャップはかなりあるんだ。農鳥岳は目立たない。

 塩見岳に続く仙塩尾根も魅力的だ。ここを歩くのは,定年後だね。同じような写真が2段になった。天気がいいから構わないね。

 ツガザクラとコイワカガミでしょうか?

 花に目が行くというのは気持ちに余裕があるからです。

 さて三峰岳の根元に戻ってきました。頂上から30分ほど。

 さらに2時間30分ほどかけて野呂川越に着いた。すると,反対方向,つまり仙丈岳から降りてきた大荷物を担いだ若者がいた。やるねぇ〜

7月18日

 登頂を果たした翌日は心落ち着いた朝が迎えられる。ただ,天候が今一だ。後に分かったことだが,台風が接近していたのだ。

 それでも釣りをして岩魚の撮影を行い,その後帰途に就いた。

 北沢出合いのバス停に着いたのが11時20分だった。途中パラパラと細かい雨が降っていた。

 臨時便に乗せてもらおうと考えていたが,2台に拒否された。仕方無しに12時30分の定期便に拾ってもらった。待っている間に親娘連れの観光客と一緒になった。大雨も降った。妙な時間が流れていた。