南アルプス 悪沢&赤石岳 行


8月4日  花のページ

 岡山を出発したのが13時を回ってしまったので,山陽ICから焼津ICまでひたすら飛ばした。といっても軽乗用車,たかがしれている。

 静清バイパスを経由して,道を多少間違えながら真っ暗で霧に満ちた富士見峠を越え畑薙第一ダム下の東海フォレストの駐車場に着いたのが,23時40分頃。長い長い道のりだった。いつまで登るのかと。井川に降りてからも長かった。すぐ仮眠。

 朝は5時頃に起きた。100台くらいの車がある。バスを待っている人は5人ほど。他の人は現在登山中なんだろう。8:10発の送迎バスがあるが,人数が揃えばそれより前にも出るようだ。

 蚊が多い。蚊取り線香がいる。小物を忘れてきている。

 バスの方は,客がいれば,起こしながら乗せてくれるようだ。客はけっこう中・高年が多い。私もその一人だが...

7:05発。乗客は4人ほど?

 8時頃,椹島に到着。以前の事は覚えてはいないが,こんなに整備されてはいなかった。キャンプ場は明るくて気分が良さそうだ。岳樺の木陰でもあったら尚良いのだが。ここに写っているお二人とは,途中一緒になることが多かった。お二人とも,聖を越えると言っていた。台風でどうなったんだろう?

千枚岳へはこの吊り橋で奥西河内を渡って行く。以前は,1437mのピークをトラバースしていたが,どうやら崩壊のためかピークを忠実にたどっていく。南アルプスはこういう樹林が多い。嬉しい雰囲気だ。通りすがりのご婦人が,団扇で扇いでくれた。団扇が便利,これからは持っていこう。

 井川の少年自然の家が「トム・ソーヤ南アルプスチャレンジキャンプ」なるものを催していて,小中学生が30人ほど参加していた。メインは,キャンプと悪沢岳登山のようだった。

 楽しそうな自然教室だが,小中学生のこと,体調不良の子が必ずいる。そのケアが大変だ。幸いにここのコースは,千枚小屋近くまで林道があり,車を使ってのサポートができていた。自然破壊なんて言う人がいるかもしれないが,こういう積極的な使い方は,とっても良いことだと思う。

 実は,私がこのコースを選んだのは,この林道をエスケープルートにできると考えていたからである。膝が痛くなったら,林道であれば,支障なく降りられるからね。

 小石下の林道に出るところで細案文書が置いてあったので,失礼ながら無断で見せて貰った。

 清水平には11:15に到着。ここまで来るのにかなり時間がかかった。傾斜は緩いのだが,距離があることが影響しているのかもしれない。水はどんどん湧いている。平らではなかったけれど...

11:50発

 蕨段到着。蕨が取れるんだろうか? そういえば生えている。

 雨が降ってきた。駒鳥池のところにトム・ソーヤのグループが沢山いた。どうやら,年令か体力別かでグループを分けているようだ。この子たちはちょっと小さめの子供たち。小学生かな?

 この後,北進するコースは直角に曲がり西進するが,その直前に右に林道終点に至る道がある。上をケーブルが通っているところらしい。

 さすがに,距離が長い故に傾斜の緩いこのコースだ。汗はかいたが快調に登ることができた。

 少々雨が強くなってきたので,傘を差しながら15:05小屋着。

 新しい小屋である。受付で良いものを見つけたが,バンダナだけにしておいた。

 インターネットの東海フォレスト営業小屋の混雑状況を見て,選んだ日程で来ただけあって,13人ほどの泊まり客だった。ほぼ中・高年組。一人,娘さんがいたが。この娘さんは親子3人グループで,彼らとは最後の椹島まで一緒だった。

 小屋の様子は,こんな具合。外へ出る時は南側の階段で登降し,食堂に行く時には内部の階段を利用する。外にあるトイレは清潔で,その先に行くとキャンプ場がある。

 小屋の周りは針葉樹林で落ち着いている。奥西河内北沢の源頭なので,お花畑になっている。

 トム・ソーヤの方々第2団到着。虹が出てきた。明日は晴れかと思わせてくれた。食事はこちら。なかなか良かった。ご飯とナメコみそ汁はお代わり自由だったのでお代わりした。しかし,1膳目の量より多くなったので,半分くらいと言っておけば良かった。また,みそ汁2杯目は熱いので要注意。

 ビールは,我慢した。


8月5日

 今朝2時頃に一旦目が醒めた。相変わらず隣の人の鼾はすさまじい。寝なくても疲れはとれる,ので,目をつぶっていたら寝てしまったようだ。3時にでた人がいた。窓からは星が見えている。思い立って,準備し4:00小屋発。前日,朝食が5時からと聞いていたので,弁当にして貰っていた。

 未だ暗いので,ゆっくり歩く。千枚途中で日の出。50歩進んで一息つくという歩き方で汗をかかないようにした。といってもこれが精一杯。高山植物や景色の写真を撮りながら登る。途中,救心を落としたことに気付き,空身で降りて探す。100mほど降りて発見! 誰かに踏まれていた。自分かもしれない?

 日の出,富士山,笊ヶ岳,塩見岳から間の岳遠望。

 千枚岳に5:30頃到着。朝食を取る。小屋で貰った弁当は,いなり寿司4個とタケノコ,サツマイモだった。白飯を予想していたので,小屋の人には感謝。うち,2個を食べる。思いの外,ショウガが美味しかった。向こうに丸山と悪沢岳が見える。赤石岳の雲も取れて,良い気分だ。右下の怪しい影は私です。

 悪沢への登り。前を行く人はずっと前後して歩いてきた人。丸山を振り返ると,こんな感じ。

 最後の岩が累積したところを渡っていくと,懐かしい悪沢岳頂上。7:50着。荒川東岳になっているのがちょっと辛いですな。3,141m。赤石岳方面には雲が出てきた。8:00発。今日は西方の中岳が見える。そうそうゆっくりしてもいられない。

 いよいよ下り。悪沢岳を振り返る。そのまま水平に行かせてくれればいいものを。

 下りは急激。登り返しはジワジワ。しかし,割とあっけなく避難小屋にでる。中岳9:30着。

 ここから1時間の下り。膝を痛めないように,注意して下る。あちこちの書物で御花畑として有名な途中の源頭は,さすがに花いっぱいだった。荒川小屋には10:45に到着。(写真がない!)ここに泊まろうかと迷ったが,昼前なので,残りのいなり寿司を食べて,水場(水場はすぐ近くで,豊富な水量)で水を調達し12時頃出発した。

 すぐにある急な登りをこなすと,あとは大聖寺平へ緩い登り気味の水平道。一度雪渓を渡る。写真では広々したところを想像していたが,左に赤石の稜線が迫っていて,こじんまりした印象。風が良く通るんだろうか,這松も背が低い。

 分岐点から赤石の稜線目指して登る。急な登りで,ばてた。まずは小赤石岳のコブ。いくつもの細かいピークを越えて小赤石岳。雨がちらほら降ってきたが,雷はなさそうなのでのんびりいく。というより半分惰性,疲労凍死寸前?? ウィダーのような流動食が欲しいところだ。赤石小屋分岐のピークを過ぎると,一瞬ボーッと赤石が聳えているのが見えた。でかい! 高い! 15:15赤石岳着

 早速,避難小屋へ。管理人さんは若い人が一人。内部は避難小屋と思えない作り。素晴らしい。さすがに自炊小屋だけあって,自炊場は小さい?! 宿泊はお奨め。今日の泊まりは8人。

 夕日を見に出かけた人を追いかけて行ったが,息切れして間に合わなかった。しかし,雲海に浮かぶ聖岳,小赤石岳や悪沢岳が綺麗に見えていた。


8月6日

 昨晩ほどの鼾もなく頭痛以外は快適であった。頭痛は高山のためだろう。夜半にトイレに出たときに晴天は確認しておいた。

 しかし,残念なことに朝の頂上はガスっていた。仕方なしに5時に出発。ガスが晴れるのを待って,なんだかんだで5:15頂上発。

 昨日と同様,8時頃には晴天だったらしい。

 雲の上に頂上が見えたり隠れたり。

 無断でモデルになって頂いたこのお二人も前後になりながら,椹島まで一緒だった。

 ブロッケン現象がお分かりだろうか? カール底には雪田が残っていた。

 小赤石岳や赤石岳,大倉尾根などが雲にまとわりつかれたり晴れたりと,写真を撮るのに忙しく,なかなか進まない。もっともその方が膝には有り難い。

 こんなガレ場を下ってくる。ここの下りも膝には要注意なのだ。若い時は,ガンガンとスピード上げて脚力だけで体重を抑えていた。同じ調子で年を取ってもやってしまうと,当然膝に来る。だからこそ,ストックに体重を分散させて,膝を守るという積極的使用が大切だと思う。単なるバランス補助でなくて。大きな落差の時は,ストックをしっかりつくと,膝への負担がかなり無くなる。

 北沢の水場を過ぎると,多少の登り降りはあるけれど,トラバースしながら富士見平へ向かう。登山路は結構崩壊しているものの,修復されているので心配はない。富士見平へ到着。富士山が写っているのが分かるかな?

赤石小屋には,7:35着。しっかり休んで8:05発。できるだけ早く降りたかったのだ。岡山まで8時間はかかる。途中の下りは激しいものだったが,3度ほどしりもちついたものの膝痛は最後まで起きなかった。長い鉄ハシゴを降りると林道に出,すぐに椹島に到着した。椹島11:15着。記念にガッツポーズ。同時に生ビールで乾杯になるところなのだが,車の運転があるので我慢した。

 食事をして,13:30バス発。林道脇に流れる山水で体を洗って,14:45駐車場を出発。富士見平の下りで一度大きくスリップして,ヒヤッとした。17:15焼津ICに入る。


8月7日

 途中何度か連絡のためSAに入る。豪雨のため前が見えなくなったり,眠くなったりでSAに入る。雨も止んで,眠気も覚めたので帰ろうとしばらく走ったら,備前ICの500m手前で突然渋滞。通行止めだという。5:40頃だったろうか? あと少し早く帰っていたら通れたのに。結局3時間待たされて,国道2号に降りる。渋滞がイヤだと,別の道を探すが,あちこち増水やら土砂崩れがあったので,危険よりも渋滞ということで再び2号線へ。結局9:30頃に帰宅することができた。