南アルプス 聖岳行 H17


8月3日

 朝6時に自宅を出発。眠気は全くなく,快調に進む。途中何度か渋滞はあったが,12時前には静岡ICを降りた。食料と地図を購入し,ダム駐車場をめざす。地図のおかげで迷うことなく,また2年前の記憶もかなり確かだったので助かった。峠越えも,日昼で明るかったので速く楽にこなせた。リムジンバスの最終を2時と間違えていたので,最終リムジンには間に合うはずはないと考えていたので,この前は見逃した町営温泉に入湯した。無料。ビールと岩魚の骨酒(酒別)を購入。硫黄泉なのだろうか,ヌルヌルした湯であった。

 そんなにゆっくりして,駐車場に着いたのが14時過ぎ。遅い昼を食べていると,送迎バスがきているではないか。車の中で夜を過ごす予定だったが,車中の人となり,椹島に16時には着いた。あわてていたので,小物を忘れてしまった。

 ここにはコインロッカーがあり,荷物を置いていけるようだ。300円×日数。テントを持ってくれば良かった。テント泊の人も入浴ができるとのこと。もっとも白樺荘で入浴すればOKではある。

 釣券は現場では買えない。途中に何か所かあったので,そこで買うしかないようだ。夕方の気温は23度。朝・夜は涼しくなるものの,日昼はかなり暑いとのこと。静かな所だけに,人の話声がやかましい。

 登山小屋で自炊したので,寝るスペースは充分だった。ここの寝具は封筒形のシュラフだったが,両側がジッパーで開くので,足を出して温度調節ができ,使い易かった。マミー型はコンパクトにはなるが,暑くなりがちで使いにくい。

8月4日

 昨夜は2時間毎に起きることになった。神経が高ぶっているのだろう。とはいっても,夜7時に寝て,4時に起きたのだから,充分な睡眠時間だろう。

 5時55分に聖平登山口まで送ってもらえる。6時7分聖平口。最初からきつい登り300mだ。ゆっくり歩いてぺース作リとした。7時24分に吊橋で聖沢を渡る。朝この辺に子熊がいたようだ。

 9時30分乗越。地図上で見ると単純なトラバース道だが,道が崩れたためかかなり登降がある。

 12時7分聖平小屋。人はとても多い。古い小屋だって使っている。それよりも中高年の登山者ばかりなのがおどろく。更に酒飲みときている。混雑もさることながら,トイレ通いとイビキで寝れそうにない。

 昼に着いた後,ラーメンを作ってからは暇なのでボーっとしていた。下界の,それも飲み屋街の雰囲気にとまどいながら。

8月5日

 昨日はマミー型シュラフであったので,暑くてよく寝れなかった。しかし,中に入らず掛け布団風にしてみると快適だった。日の出をいい条件で見たかったのと,長い行程なので,3時前に起きて,3時45分には出発した。小聖岳には5時24分。途中で日の出だった。

 聖岳には6時55分に着いた。ハードな登りでヘロヘロになった。ここで往路をもどるべきだったか?

 そのまま北に向かった。どこまでもどこまでも大きく下ってしまう。そして登り返しのつらさ。

 喘いで登って兎岳9時46分。そして再び下降と登り。大したことはなかったが,次にひかえる中盛丸山のピークが眩しい。小兎10時50分。

 そしてグーンと下ってからの急登。完全にバテた。小屋までの下りの途中で大きな水場があったのだが,そこの岩にもたれかかって寝入ってしまうところであった。

 百間洞には13時30分着。今日は混んでいる。明日はできるだけ椹島まで降りたいが,無理だろうな。

 ここでは夕食にトンカツを食べさせてくれる。その為に,食事付きで泊まったのだ。食欲は落ちていたが,完食した。

 この晩,百間洞小屋はかなり混雑していた。椹島の登山小屋で一緒だったタイからの若い留学生と再び一緒になった。周りが中高年のおじさんばかりだったので,可哀想に居づらかったろうな。

8月6日

 百間洞小屋を5時15分発。今日は初めから霧。無理におし込んだ朝食をおちつかせる為にしばらく横になってからの出発。最初の登りは,元気に登ることをあきらめているので,ゆっくり登ったところ,快調。

 百間平や馬の背は天気が良ければ最高のところ。赤石の登りは昨日に比べれば,楽勝!

 赤石岳をトラバースする所は大きな石がゴロゴロしていて下りにくいところだが,登りにはー歩一歩の高さを調節し易いので楽だ。

 赤石岳避難小屋8時48分着。2年振り。時間的にはまあまあですな。ここでゼリー購入。9時10分赤石岳発。眺望なし。学生さんパーティがいた。珍しい。

 いよいよ下りに入るところで15人程の団体熟年女性を追い抜いて,慎重に下る。下るー方かと思うが,ひんぱんに細かな登りがあるのがつらい。裏切られた思いだ。昨日のアップダウンは事前承知だったから納得はするが。

 赤石小屋11時40分頃着。ここの旧小屋に泊まることにした。無理して椹島に下っても仕方ない。どうせ帰岡は明日になる。

 汁粉と牛乳を飲んだ。実は追い抜いた団体客は赤石小屋泊りだったのだ。今日は千枚小屋からの下山客で混雑するだろう。

 旧小屋には2組の中年ぺアが泊ることになった。彼らの話を聞いていると面白い。それも関西弁のテンポの良さと,人がいても勝手に大声でしゃべる気質が。女性は仲間で登山するらしい。それに御主人が参加したという形か? うちの場合だったら歩き遍路というところか?

 新しい小屋には今のところ40名程。中年熟年がビール片手に騒々しいこと。

8月7日

 今日は椹島に下りるだけなので,ゆっくりとした出発にした。折角天気も良かったので,赤石岳が赤く染まるのも見たかったのだ。

 宿泊者が少なかったので,のびのびと寝ることができ,昨日の疲れも取れて快調だ。膝の痛みは幸いなことに出なかったので,心配はなかった。

 6時10分出発。小屋から林道跡あたりまではそうでもないが,それの先から椹島までが急坂だと言われている。前回も前々回もそんな印象だったが,ここの下りだけが今日のノルマである身にとっては,楽勝だった。ただ,滑ったり躓いたりしないようには気をつけた。

 先に出発していた連中を抜いて,林道跡には7時35分。そして,9時のリムジンに間に合うかと飛ばしに飛ばして,椹島には8時40分に着いた。

 もちろん9時なんかのバスはなく,10時であった。しかし,9時30分に臨時が出るという。ラッキーなことで,再び温泉客となったのは言うまでもない。

南ア番外

 新旧の小屋がある場所が数ケ所ある。聖平では,自炊を選んだが早目に着いた為か新しい小屋にあてられた。遅く着いた人達は食事付きであっても古い小屋にあてられた。私個人としては,古い小屋の方が良かったのだが。

 赤石小屋では,自炊者は古い小屋にあてられた。もちろん,新しい小屋が満員になれば食事付きであっても古い小屋に回されていた。どちらがいいのか判断に迷うところだが,古い小屋の方がのんびり手足を伸すことはできそうだ。