南アルプス北岳行

 長年の夢だった南アルプス行をようやく実行しました。もっとも,行き先は計画段階からコロコロ変わって,最終計画では南部の悪沢・赤石岳周回コースだったのですが,結局いろんな用事が入って出発が遅れたので,急遽簡単なところで済ませることにしました。といっても,北岳は20年振りの思い出の山です。20年前,新婚の我々夫婦が一緒に登った山なんです。

 さて,経費節約の関係でマイカーで行くことにしました。すぐそばの山陽ICから伊那ICまで480km。途中休みながら,雷雨で前が見えなくなることもあって難儀しながら6時間,登山口まで7時間の道のりでした。登山口は戸台の仙流荘前。この一寸先にバス乗り場と無料の広い駐車場があります。休憩所もあって,布団も用意されており仮眠することができます。10人くらいかな?

 駐車場は広いので,台数が少なければテントを張ることもできそうです。持って行けば良かった。

 ここは仙流荘前のバス乗り場。始発はもっと下流にあるんだけれど,人数が多ければ増発もするのでここで乗るのがベスト。JRバスと乗り継ぎして高遠や伊那駅に行くなら下流の始発場に行った方がいいですね。綺麗なトイレもあるし,いいところです。

 いいところといえば,この仙流荘では500円で入浴ができます。登山客OK。まあ,登山客の人は体を綺麗に洗ってから湯船に浸かってくださいね。私は,ドライブした汗を流してから,ビールを飲みました。

 その晩は,車の中で寝たんですが,なんと窓から眺める満天の星をバックに,沢山の流星を見ました。ペルセウス流星群でした。

 釣り券も売っていて,釣りもできるのでしたが,道具を持って行ってませんでした。見ていると,12cmほどのヤマメがすぐに上がってきました。水が妙に濁っていたのが気になりますが... 次回は持って行くぞ!

 翌日,始発の6:30のバスに乗って北沢峠へ。何回目かな? このバスの道を歩いて往復したときもあったな。その時は,やはり歩いて広河原まで往復したっけ。そうそう,子供2人を連れて広河原から歩いてきて,仙丈岳に登ったこともあった。思い出の地です。

 ここのトイレも綺麗なものです。冬でも使えるよう便座にヒーターが付いている。納得。

 北沢峠でバスを乗り換えて広河原へ。8時着。吊り橋で野呂川を渡って広河原山荘。ここに泊まると,夕食にワインが出るんだ!(^^;)

 2人の子供と一緒に台風で閉じこめられて2連泊したっけ。テント場は奥。少ないのは,もう出発したからでしょうね。

 前回女房と来たときは,大樺沢経由で登ったので,今回は御池小屋経由で登ることにしました。陽射しが樹林でさえぎられて涼しい。風も心地良いし順調に登る。今日は,無理せず御池小屋泊まりとしよう。水場も嬉しいね。

 10時半に到着。アレ? 小屋がプレハブ ? 雑誌では綺麗な小屋だったのに。ちょっと興醒め。まあ,取り敢えず大休止。ラーメンを作る。今回は,棒状のインスタントラーメンに,具を工夫して用意しましたよ。インスタント味噌汁の乾燥具とインスタント豚汁の具。これらをミックスして入れてしまう。具沢山のラーメンの完成です。

 ここにはテン場もあって雰囲気のいいところですが,ゆっくり休んでもなお時間があったので,肩の小屋を目指して出発しました。

 ここから小太郎尾根まで500mの急登です。お花畑だけに,日射を遮るものもないので苦しいところですが,花を愛でながらひたすら登ります。野呂川対岸の稜線の鳳凰峠?だったかな?と同じくらいになれば急登も終わるのですが。

 ここらあたりから?あるいはそれ以前にも道のあちこちに赤石が落ちています。ラジオラリヤなんでしょうか?

 苦しかったものの,あっけなく小太郎尾根につくと,そこからは稜線伝いに肩の小屋へ。お花畑の急登で汗をかいたあとに西からの強風に吹かれて一気に体温が下がってしまいました。これが調子を狂わせましたね。

14:30に肩の小屋着。雲が多いですが,穏やかです。携帯電話は通じているみたいです,小屋の前にもアンテナが設置してありましたし。小屋も前にはテン場があって,色とりどりのテントの中でみんなのんびりしてました。17時ころの気温は14度。

 小屋前の広場では,全国各地から集まってきた人々で話が盛り上がっていました。仙台から来たグループは700km走ったそうです。

 夜半は強風が吹き荒れ,時々雨も降っているようです。寝苦しく,1時間毎には起きてしまいました。小太郎尾根に出て風に吹かれて風邪をひいたのか,熱がありそうでした。明日はこの小屋で停滞かな?と考えていると,いつの間にか寝てしまったようです。

 星が出ている! の声で目を覚ましたようです。起きてみると,確かに風は強いけれどいい天気です。強風にあおられて霧がわき上がってきます。

 富士山は? 富士山は...美しい!!

 こうなったら,取り敢えず無理をせず空身で頂上を目指しました。登っていくと,体調も回復。6:13に頂上,20年振りです。

 頂上ではわずか15分ほどしかいませんでしたが,山頂と小屋までの眺望,小太郎尾根の降り口までの稜線漫歩で十分でした。それだけで十分私の気持ちは満ち足りました。

 今回は風が強かったので雲の動きが印象的でした。いつまでも飽きなかった。龍が動き回っているようでした。時に,遠望が利くようになって間の岳が見えました。けれど,塩見以南の山は笠雲に隠れて見えませんでした。

 富士,仙丈,甲斐駒...

 小太郎尾根の降り口でコーヒーを沸かして大休止。

 ここから先は,大樺沢沿いに下ることにしました。登りに使ったコースは急坂過ぎて,降りる気にはならなかったからです。20年前は,降りたんですが。8:00下山開始。

 途中から右へ。二股に降ります。流石に樺沢というだけあって樺が多いですね。二股に近くなると右足の膝に異常が出ました。痛くなったんです。ヤバイ!

 9:06二股着。ここからはバットレスや八本歯のコルが綺麗ですね。雪渓は大分小さくなってました。

 ペースをグーンと落として右足をかばいながら降りていきました。こちらのコースを選んでおいて良かった! そしてようやく広河原着 11:24。 北沢行きバスの時間まで十分時間があったので,小屋で食事。ソバを注文しようと思ったら,うどんを頼んでしまった(^^;)

 この野呂川も釣りができます。センターで1000円の日釣り券が販売されてます。ただし,いい調子で上流に釣り上がっていくと,熊に出会うかも知れないので,注意。

 北沢峠でバスを乗り替え,甲斐駒の勇姿に見送られて,一路駐車場へ。

 駐車場には14:00頃には着いたのかな? 取り敢えず,車で長谷村に戻ってガソリンを補充してきました。それから入浴してビールで乾杯。後は,暗くなるまでのんびりして,車の中で寝てから翌日2時,真っ暗な中,星空を楽しみながら岡山目指して出発したのでした。

 今回お世話になった自炊道具と食事類。まあまあの味でした。感謝。

 高速には3時前には入ったのですが,大阪での3時間のノロノロ運転がたたって,結局帰ってきたのは昼の12時ころでした。ヤレヤレ。

 そうそう,来年の登山計画がほぼ完成しました。4泊5日の予定で,甲斐駒と仙丈に登ります。4泊ともテント。家族が行くとなったら,もう2泊延びて,小屋と仙流荘だろうな(^^;) 

 ではまた来年。