8月26日
今年の夏は行事が妙な具合に分散して日程調整がうまくいかず,ギリギリの最終週に出発となった。体調は既にばてていた。
朝2時30分頃に出発して直ぐに高速に乗り,眠気もなく順調に進む。飛騨清見で高速をおり,高山を経由して平湯,北上して新穂高温泉に到着したのが10時前だった。
深山荘付近の無料駐車場は一杯だったが,適当なスペースを探して無理矢理押し込んだ。幸いに一番北部分に止めたのだが,そこから歩道が登山口に向かっており,便利であった。
笠ヶ岳辺りの稜線が見える。登山届けを出して出発するが,熊の目撃情報がこれからのコースに出ていて,若干不気味。
初めのうちは林道を歩く。思ったよりは傾斜があるが,直にそれにも慣れてきた。途中でショートカットして穂高平山荘へ出る。ここで台休憩して牛乳を購入,グラスで出てきた。遅いパンの朝食だったので嬉しい。
林道歩きは1時間半ほど。穂高岳山荘目がけて直登する白出沢コースを分けて若干進むと,白出沢に出る。
この蒲田川右股コースは,いくつもの大小の沢が穂高側から落ちてくる。どれも雨天の時には暴れて土石流が落ちてくるようだ。天候の悪い時には歩けない。下手すれば孤立する。
白出沢から1時間ほどで滝谷だ。ここには避難小屋がある。大岩の右側。水量豊富で,今回もどこでも渡れるというものではなかった。少々上流に仮設橋が渡してあった。
藤木九三氏のレリーフ。ここで初めて右股と接することができる。釣りがしたいね。
滝谷から1時間ほどして,南谷を横切る。流れはない。かなり登ってきたという感じ。ここからしばらくして木道が出てくれば,槍平小屋に付く。5時間ほどの歩行だった。
手続きをして北側のテント場にベースを置く。気温は20度を越えていた。ビールを飲んで夕飯を食べたら,19時には寝てしまったようだ。
8月27日
朝方の気温は12度まで下がったが,テント内は20度ほどあり暖かかった。昨晩寝る時はシュラフが要らなかったが,深夜から必要になる程度だった。
天気は最高,雲一つ無い。5時に出発。
周囲の大木が低くなってくると,展望が良くなってくる。1時間ほど登ると,最終水場が現れる。写真のところではなく,少し上にホースが出ている。そこが水場。
乗鞍かな。手前には焼岳が見えている。コース上には,標高が100m毎に標識があるので便利だ。今回はだいたい平均24分ほどで100mを登っていたようだ。笠ヶ岳は未だ高い。
千丈分岐点に出た。小屋から2時間15分ほど。沢山の下山者とすれ違う。高齢の方もいれば,山ガールと云われる登山者も多い。誰もが,ビシッとスタイルが決まっていて感心する。我が身を振り返ると,体型が良くないし姿勢も悪い。着こなしもセンスがないときて寂しい限りだ。次回の登山の時は改善したいものだ。汗を多量にかくのもどうにかしたいね。
この頃になると,笠ヶ岳方面と並んでくる。
千丈分岐点からは登り傾斜がきつくなる。ただ,登り一辺倒なので,ペースをつかんで一歩一本登ればどうにかなるものだ。記録を見ると,100mを23〜25分で均等に刻んで登っていた。
すると,道標が見えてきて稜線が近いことを教えてくれた。分岐点から1時間45分程度。もっとも,槍ヶ岳山荘はかなり以前から見えていたものの,なかなか着かないので苦しいところだったのだ。
稜線に上がると,反対側の槍沢が見えた。大喰岳も大きな山容だ。
槍が見えた。富士山も見えた。
そして,テント場を出発してから4時間20分。ようやく槍ヶ岳の肩に出た。前穂高の北尾根が見える。天狗原も良さそうな感じだ。
さて,ここでしばらく槍を見ながら呼吸を整える。なかなかゴツゴツしているな。
殺生ヒュッテは直ぐ下に見える。結構急傾斜だ。槍ヶ岳山荘にも泊まってみたいな。
ちょっと裏側の西鎌尾根方面も覗いてみた。とか何とかしているうちに1時間が経った。私からは槍ヶ岳の頂上に登ろうという意欲がまるでなくなっていた。往復1時間の体力気力がなかったことと,ゴツゴツを登るほど元気がなかったのだ。高所恐怖症だし。
ということで,このまま下山することにした。次回,槍ヶ岳山荘泊まりにした時に登ることにして。バイバイ槍ヶ岳。
自慢じゃないが,登りに弱い私は,以外と下りには強い。ということで,脱兎のごとく下山を開始した。
あっという間に千丈分岐点。1時間で降りてきた。
そして,さらに1時間20分後,わがテントに帰ってきた。昼ちょっと過ぎであったので,新穂高温泉に帰ることもできたが,のんびり槍平を楽しむことにした。
8月28日
最終日は新穂高温泉に帰るのみだ。それでも,みんなが暗いうちから準備していたので,こちらも動き出した。お世話になった槍平山荘に別れを告げて下山開始。6時20分。
この日も好天だ。快調に下山する。熊の目撃情報があった区間は緊張するが,登ってくる人も多く,熊は逃げているだろう。この特徴ある丸い突起が滝谷ドームというものだろうか?
白出沢を渡って,林道に出た。8時20分。あとはのんびり林道歩きだ。この林道下りは脚に応える。つま先が下向きになるからね。段差の下りの方が足を水平にできるので,脚には負担が少ないのだ。
駐車場には10時6分着。無事終了しました。あとまだ高速での帰途があるけれど。
隣にいた人に温泉情報を尋ねた。直ぐ近くの深山荘を紹介してくれたので行ってみた。
露天風呂。料金は500円。なかなか気分はいい。
さて,岡山に向かって出発。途中昼食を摂りながら,ノロノロと進む。節約のために通勤割引時間帯に山陽ICを出たいのだ。
結局20時10分ほどにICを出て帰宅した。往きは休日割引で4,550円。帰りは,6,350円だった。
槍ヶ岳頂上に登らなかったので,いつか槍を計画する時は,槍ヶ岳山荘で1泊する行程にして体力気力充分にして登ってみよう。