北アルプス 涸沢 横尾 行


 7月は早くから全国的に安定した夏らしい晴天が続き絶好の登山日和だった。けれど、山形に行かねばならなかったので、そちらを優先したために登山する時期を逃した。8月に入ると、さらに暑い日が続き、体力的にめげていた日々が続くことになりとても登山に行こうなんて気にはなれなかった(^^;)

 また、台風やら大雨やら天候が不安定になり、いつ登山に出発できるか長期の天気予報とにらめっこの日が続いた。地元と現地の天気予報だけでなく、経由地となる途中の地域での天気予報も重要だ。土日は避けたいと考えてはいたが、家庭の事情などもあり、出発は9月15日の午後となった。シルバーウィーク3連休という最悪の山行になったのだった(^^;)

9月15日(金)

 山形までの1000kmに比べれば、平湯まではその半分だ。楽勝。夜に走るのは嫌だったので、出発は昼間にした。養老SAで夕食としてかつ丼を食す。5〜6時間走って、ひるがの高原SAで仮眠する。ここは標高800mを越えているので涼しいはずだろうと踏んだ。これは半分正解。トラックの騒音が止み、涼しさが感じられて熟睡できたのは夜半を過ぎてからだった。

9月16日(土)

 明るくなってからSAを出発。快調にアカンダナ駐車場に到着。流石に駐車場は満杯だった。第3駐車場まで降りた。この時はまだ第3駐車場には余裕があった。ここはバス停よりは低いところになる。バスに乗るには階段を上がらねばならないのだが、考えてみれば、下山時はバスから降りた後、階段を下りるのだから都合がいいのかもしれない。

 バス乗り場には長い行列ができてはいたが、臨時便が出るので慌てなくていい。むしろ、後ろに並んでいたために少ない人数でのバス便になったのは幸いだ。一応、こういう場合にはマスクをする。

 上高地のインフォメーションで涸沢では水不足という張り紙があった。この夏は暑かったために水源とする雪渓が枯れてきたのだろうか。いつもは豊かな水道だったので驚きだ。天気は雲が多め。山間部は午後から雨という嫌な予報を仕入れた(^^;)

 それでも、途中の行程はそれなりに天気も良く体調もいい。ただ、周りの登山者達が歩くの速い。どんどん抜かされる。体力落ちたね、と落ち込んでいたが、私のコースタイムはそれほど悪くはなかった。明神・徳澤・横尾と、ほぼ1時間前後で歩いていたのだから。最近の登山者はアスリートが多くなったのかな? まあ、競争じゃないし(^^)

 調子よく歩けたのは、荷物の重さもあったのかもしれない。今回は、ザックを軽いモンベルのバーサライトパック40Lに新調した。また、ガスストーブはやめてアルコールストーブを選択。テントは従来のトレックライズ0。水なし、食料含めた状態で6.7kgに収まっていた。実際に担いでみると、軽い! という状態だったのだ。

 このコースは山小屋が多いので、昼食は山小屋だより、というのも良かったのかもしれない。徳澤キャンプ場もいいね〜と思っていたら、なんとキャンプ地横を流れているせせらぎに水がなかった(^^;)

 昼前には横尾に到着したのだが、到着直前にトラブル発生!

 なんと、登山靴のザンバランフジヤマの靴底ゴムが剥がれた! いやーこんなことってあるんだねぇ〜。一気に予定が狂ってしまった。今回は横尾止まりですな(^^;) でも、上高地まで帰れるんだろうか? まあ、キャンプ地用のスリッパ持ってきてるしね(^^;)

 横尾まで10分もないところでのトラブルだったので、とりあえず修理。幸いに、涸沢テント用として細引きをたくさん持ってきていたので、これで靴をぐるりと縛った。帰りにもう片方も剥がれたので、さらに工夫している。ビブラムソールの溝にできるだけ細引きを合わせるようにし、アッパーの方のD環を通して緩まないようにしてみた。結果、帰りには上高地まで1回だけの再調整で済んだ(^^)

 ガムテープでもあれば、つま先の口空きを閉じることができて、なおいいかもしれない。もっとも2度と経験したくはない。余談だが、帰りに先を行く登山者も靴底が剥がれたようで、同士を見つけた気になって話しかけてしまった(^^;) 登山雑誌ではよく目にすることだが、自分がなるとはね。

 この登山靴、使用回数は多くはないものの17年使っており、ここ数年は靴箱にしまっていた。接着剤が劣化するのは当然だね。修理を考えたが、費用が2万ほどかかる。それならば、軽い登山靴を購入した方がいいな。今後登山する回数も多くないだろうし、片足800g近くあるザンバランよりは私に合っているはず。アッパーは劣化がないのでもったいないけどね。

 とにかく横尾には着いた。まず、昼食としてラーメンを注文。ビールを飲もうかと思ったが、コーラにした。しかし、やはりこの後ビールを飲んだ(^^;) まったりする.....

 天気がにわかに悪くなって雨が降ってきた。日差しもあったので慌てることはない。

 雨を避けてトイレ棟の軒下でのんびりしていたら、久しぶりにキベリタテハを発見。

 横尾のテント場を散策。たくさんのテントだ。この後もどんどん増えていた。

 夕食を食べて暗くなるとすることがなくなったので、寝ることにした。19時前だったかと思う。その後、トイレに2回起きた。この時は雨が小やみになる時を狙って行ったが、3回目の2時過ぎには星が出ていた。天の川を久方に見たし、アンドロメダ大星雲も確認できた(^^) トイレに起きるのが多くなったので、キャンプがしにくくなった(^^;) したがってテントは、トイレ近くの場所に張るしかない。

9月17日(日)

 晴天だ。良かった。登山靴トラブルなので、今日はゆっくり上高地まで帰る。涸沢まで行けなかったけど、まあ楽しかったかな。

 少々足が痛いけど、帰りも快調。ほぼ平坦な行程なので、靴はどうにかもってくれた。

 登山者や観光客がますます多くなってきた。皆さん歩きながら喋りまくるので、コロナを警戒する私としてはありがたくない(^^;)

 上高地到着。上高地も沢山の人出だ。人の少ないところを通ってバス停に向かう。この後うまい具合に発車間際のアカンダナ行バスに乗ることができた。

 アカンダナ駐車場前には駐車しようとする車の行列が長くできていた。バスはその後ろに付いたのだが、車の脇を走って駐車場へ先を急ぐ。終点に到着。第3駐車場まで階段を下りて、ようやく靴を履き替える。ザンバラン、ありがとね。

 ひらゆの森という温泉があるのだが、超満員。仕方なしに汗そのままで帰途に就く。途中ひるがの高原SAでも車の行列。パスする。土産が買えない(^^;)

 新名神高速道路ができて大阪の通過が楽になった。以前は街中の車群が疾走する道路を緊張しながら走ったが、郊外の山間部をのんびり走ることができた。さらに、途中の宝塚北SAフードコートは充実しているので、そこで夕食をとる。

 山陽自動車道の下りが途中で通行止めになっているので、中国自動車道で帰ることにする。美作ICで降りると、あとは良く走った道路を自宅まで戻って、今年の夏が終わった。