ドライフライフィッシング99年度


8/3山形県 東部の小沢

 以前来たときに実績のあった川だ。一週間以上も雨が降っていなかったのと,36度を超える連日の猛暑で渇水状態だった。特にこんな小さな渓流は尚更だ。もっとも,谷が深い他の渓流は豊富な水量だったが....

 上のような渓流は,私の大好きな渓相だ。明るい河原がある渓流。
 車から小径をくねくね歩き,渓に降りてのファーストプレゼンテーションは気持ちがいい。左側の葦に抱かれた白い石の右側から流れに乗って流すと,小さなプールの真ん中でライズ。
 小気味いい引きで現れたのはきれいな雄ヤマメだった。

 このあと,全くアタリ無し。水が少なかっただけでなく,山が荒れている。かつての林道は幅広い二車線道路になっていた。山の木々は伐採されて,2mほどの幼い針葉樹が植林されていた。地滑りで入山禁止のところもあった。昔のままでいて欲しいというのは,この地に住んでいない者のエゴかも知れぬが,寂しい思いは拭えない。


8/2山形県 大井沢川

 寒河江ダムに北上しながら流れ込む寒河江川は,その本流と支流が釣り人には憧れの渓流の一つであることは疑いもないだろう。昔の釣りを懐かしむに載っている山形のイワナは,20年近く前にこの大井沢川で釣れたものなのだ。(ロッドもリールも同じものだ!)

 いい環境だなあ.....しかし住んでいる人たちは大変だろうな。ん?住み続けているということは,良いということか?

大井沢は発展している!
釣り人ははなはだしく多く
そして水は汚れつつある
だが熊も職漁師も健在だ

 大井沢は「キャッチアンドリリース」を奨励してます。良いことですね。せっかく永いこと生き続けてきた動物たちを,私らの世代で絶滅させたら気分は悪いものな。
 しかし,排気ガス(黒煙か?)ばらまく4WDはもう要らないでしょう。道は良くなっているし。自然愛護だぞ!雑誌から抜け出たような典型的なフライマンも多いな。格好いい!自分を見ると,とんでもない姿をしている。ちょっと,気にしようかな?

 でもね,なぜか水は汚れている。上流から戻ってくるとき,コンクリートミキサー車(だったかな?)2台とすれ違ったぞ。それに,大きな支流の水が泥水だった。どうしたわけかな?工事か?何のために?
 しかし同時に,バンを止めて数人の人が発泡スチロールの箱に大きな丸い竹の魚籠から魚を移しているシーンを目撃した。職漁師か?そういう人はもういないか?

 おっと,そのあと泥水の沢を避けて本流を遡行していったら,3本の爪が付いた直径10cmほどの丸い足跡を河原の砂場に見つけた。あれって熊?....ゾッとして,写真も撮らず,引き返したのだ。

 仕方なく,大井沢川に橋の下から入渓した。誰もが入渓するところだろうけど,裏をかいたつもりだ。まあ,みんながここから入っているな。
 最高のシチュエーションだ。で,穏やかな長い瀬に目一杯シュートしたら,おおらかにフライを銜えた。

 スレでかかったような重い引きだった。自由に泳がれてしまったし。しかし,フックは確実に上顎にかかっていた。24cmのイワナだった。もう釣られるなよ!


5/15岡山県北

 天気がよいので,思い切って出発した。6時。遅い出発だったが仕方がない。釣り場について,いつものポイントから入ろうとすると,先行者がいた。もう30分でも早く出ていれば。上流のポイントに移動して入渓。

 いつもならばなかなかライズがないのに,今回は少々遡行(10mほどか?)するとすぐに出た。絶好のポイントに定石通りに出た。そして確実にゲット。17cmほどだった。もう5月も半ばだというのに,少々サビがあるのはどうしてだろう?ここしばらくは天気も良かったのに。右端の画像のポイントでも沈んだ大きな岩の下から飛び出してきた。この季節,いれば釣れる。

 さらに遡行すると,大場所があった。赤丸で囲んだところは定石通り魚が居着くはずのところ。しかし実際は,そこではライズはなかった。黄色の矢印のようなポイントで18cmが出た。しかし,一番奥の丸印のポイントまでフライを飛ばすのは滅多にないシューティングなので,気持ちが良かった。

 3尾釣って気分がゆるんだのか,これ以降はライズがあっても鉤がかりしない。右端のポイントでは,そのすぐ上流に素晴らしいポイントがあるのにここで出た。右上から竹が被さっていたが,そのままの位置から流してしまった。もう少し左に移動してから竹を意識しないで釣れる位置を確保するべきだった。このときのライズは20cm(オイオイ!)ほどのアマゴが半月を描いて飛び出した。

 フライを替えて左のポイントを流してみたら,全然見えない。「見えねえよー」なんて言いながら流してみると,3度目に向こう合わせでかかっていた。
 右のポイントでは,見えないフライでは駄目だということで,よく見える#14の フライを流してみたところ,出てきたアマゴがUターンしてしまった。そこでフライサイズを落としたところフィッシュオン!水色の2つの流れがじょうろのように集まっているところなので,確実にいるポイントだ。


4/3岡山県北

 まだ4月というのに,つい我慢できなくなって釣りに出かけてしまいました。90kmほど走って到着したのが8時ころ。移動性高気圧が張り出してきたので,少々冬型の天気で,雪雲が広がりパラパラと降ってきましたが,そのうち好天になるだろうということで出発したわけです。本当は,4日の日曜日の方が高気圧の後ろの方に入って天気が下り坂になりつつある時の方が暖かくなって釣りにはいいのですが,行けるときに行っておかないと後悔することが多いですからね。

 気温は9度くらい。風がないのでそう寒くはありません。しっかり着込んでいたし。胸までのウエダーだったしね。水温は5度! でも,TV番組でこのくらいの水温でもテンカラ毛針にも出ていたし,大丈夫でしょう。

 でも,びっくりでした。昨年のあの大型台風による水害で,渓流の様子は一変です。川幅は広くなり,もちろん川原の石や植物の位置なんていうどころか,きれいになくなっているのです。花崗岩(閃緑岩かな?)の岩盤が川底に出ていましたし,山側の岸は10mも絶壁になって,これからもどんどん崩れそうになっていました。逆に,これまではポイントらしき大きな淵なんかなかったのですが,大水で川底がえぐられて,程良い淵ができていました。河原が広くなって,上にかかる木も減ったので,8ftのロッドが振れるかもしれません。

 さて,相変わらず魚は少ないです。が,こんなポイントをずっと流してやると,画面中央でフライを追っているアマゴを確認できました。追うんだけれども食わなかったです。しかし,あの大水でも,5度の水温でもアマゴの活性は高いということですね。

 しかしその後はライズは無し。仕方なく,下流へ移動。すると,こんな理想的なポイントで,ライズ。追いきれなくてフライは流れてしまいました。そこで再度挑戦。何度も出るけれど,流れがよれていて,上手く銜えない。4,5度目にようやくヒット!今年最初は,13cmほどのアマゴ。いやーボウズにならないで良かった。夏ころには20cmほどになるかな?と思いながらリリース。ミッジがいいのでしょうが,水量多くて見にくいので,#16の茶色系フライを選びました。

 ところで,あまり釣れないので,釣れたポイントを偏光グラスでも撮影してみました。左側が偏光グラスを通したもの。だいぶ写り方が違いますね。水の動きが一定してなかったからでしょうか? 露出が多めにかかってしまったからでしょうか,アワの様子や沈み石の様子が違います。落ち込みによる白アワがEの形になっていますが,その真ん中の横棒の右上あたりでアマゴはフライを追っていました。ほとんど,見釣りができました。

 さらに暇だったので,わき水が流れ出ている山腹からフキノトウを摘んで帰りました。いつもは,5月の連休ころから釣りに出かけるので,フキノトウなんかないのですが,今回はあちこちに見つかりました(それだけ寒いんだね)。摘んで帰ったフキノトウは佃煮にしてみました。いやー苦くてしょっぱくて,誰も食べてくれない!天麩羅が良かったかも。

 そうそう,こんな早い時期に渓流に行くのはやめておいた方がいいです。今年はどういうわけかこれまで花粉の被害にあっていなかったのですが,今,鼻水がズルズルです。きっと最後の杉花粉を大量に浴びてきたのでしょう。やっぱり渓流釣りは5月になってからだね。