南アルプス 仙丈ヶ岳行 H20


7月24日

 昨晩の20時に出発予定だったが,夜通し走るのは危険だということで一眠りし,24日の2時過ぎに出発した。山陽ICに入ったのが,2時20分。頭が呆けているのか夜だからか,なかなかペースはつかめない。途中,事故のため通行止めとなり,4時48分茨木ICで下ろされる。次のインターまで国道を走り大きな時間ロスとなる。ただ,事故調整のため通行料は減額された。

 6時30分,養老SAで軽く朝食を摂り,伊那ICを下りたのが8時53分だった。7時間かかってしまった。  9時30分頃に仙流荘に着く。準備を整えて10時発のバスに乗り,北沢峠へ。多少霞んではいるが,いい天気だ。北沢峠には11時着。少々東へ降りて駒仙小屋のテントサイトに向かう。

 まだ昼前なので,これから登っても登れないことはないが,無理をしないことが大切。天幕を張ってしまうと,明日の出発までメインになるイベントがない。野呂川出合まで北沢を釣るということも考えていたが,入漁券は近いところでは広河原しかない。北沢峠でも販売して欲しいものだ。
仕方が無いので,北沢の雰囲気を充分楽しむ。昼食や夕食の準備,北沢を見に行ったり,隣の人のツェルトを立てるのを手伝ったり,写真を撮ったり,それなりにやることはある。

 空の美しさ,森の豊かさがいい。

 黒霧島を飲んで早々にシュラフに入る。長運転のせいもあって熟睡。翌日3時頃目が覚めると下弦の月が天頂に皓々と輝いている。それでも天の川もはっきり見えている。早速星野写真に挑戦。このために購入しておいたオリンパスのコンパクトデジカメは15秒のマニュアル露出ができるので試してみる。良く写る(こちらに写真はある)。

7月25日

 朝5時10分,仙丈を目指して登る。テントは2泊の料金を払ったのでそのままにしておく。飛ばないようにしっかりと固定しておく。今日は仙丈小屋まで。汗をかかないよう,膝が痛くならないよう気をつけて登る。6月から痛い膝が結局治らなくて,時折のピリッとした痛みが続くようになって我慢ができなくなったら,その時点で山を降りるということにした。結局,幸いなことに最後まで痛くはならなかったのだが。

 テント場から2合目までは180mほどの登りのトラバース道を行く。45分かかる。鞍部で一休み。そこから300mほど登って大滝の頭,7時50分。予定では安全のために藪沢に出て仙丈小屋を目指すことにしていたが,調子がいいので小仙丈を目指す。テント場が見える場所に出た。昨日は逆に下からこの道が見えていたのだから当然か。

 しばらく行くと森林限界。なかなか眺めがいい。上から中学生の一団が降りてくる。立志登山を南アルプスで実施できるのは羨ましい。

 小仙丈岳に9時20分に着いた。ここまでで4時間。なんて鈍いのだ。

 いったん軽く降りて,最後の登りで10時40分に仙丈の峰に着く。あとは水平な道をぐるっと頂上まで進む。頂上には11時10分に着く。6時間かかってしまった。

 この日は仙丈小屋泊まりなので,暑くてたまらないが頂上をゆっくり楽しむ。

 仙丈小屋には12時30分には着いた。高速代が浮いたので,素泊まりの予定を食事付きに変えた。そうなると,尚更やることが無くて暇になる。もっとも山の中でゆっくりできるのうれしい。小屋にあった「岳」という漫画本を感動しながら4巻を読破できたし。

 17時に夕食。アルコール類は控えた。小屋には24人の登山者だ。多くないし,声高に話す人がいないのでゆっくりできる。

 19時には布団に入って寝た。窓越しに景色が見えるように向きを変えていたので,ふと目が覚めると星空が見に飛び込んだ。ためらうことなく防寒具を着てあらかじめ用意しておいたデジカメ一式を持って外に出た。雲一つ無い晴天だ。20時過ぎだったので,月は未だ出ていない。早速撮影開始。しかし,気温は10度ほどだし,15秒の露出は,電池の消耗が早く,バッテリーがすぐにあがってしまった。それでも数枚は撮れた。

 小屋に戻ってからは体が冷えてしまったためか,なかなか寝付かれない。木星が窓枠の左から右に移動するまで覚えているから,3時間は眠れなかったのだろう。そのうち寝てしまったようだが,次に目が覚めた時には窓の外は乳白色であった。天気は良くなかったのだろう。

7月26日

 日の出は4時40分とのこと。かなりの人は頂上へ向かったが,膝を大事にする私は小屋からの眺めで満足することにした。結局,日の出自体は見える位置ではないが,小屋からの眺めの方が良かったようだ。頂上は雲の中だったとのこと。

 5時15分,下山開始。今年はダブルストックにしているのだが,なかなかにいい。快調にとばす。馬の背小屋には寄らずどんどん下る。藪沢を渡って,大滝頭に出る。少し休んで,一気に2合目まで下る。トラバース道に入ってテント場を目指したが,右に降りるところに気づかず,峠まで行ってしまう。

 テント場には7時45分着。朝露で濡れきってしまっているテントを日なたに移動して乾かしながら撤収して,バス停留所の峠に向かう。10時発で,臨時便はないとのこと。ここでも,森林の雰囲気を1時間ほど充分に楽しむ。

 10時発の定期便に乗って10時50分には仙流荘に着く。すれ違いにたくさんの登山者がバスに揺られて登っていった。仙流荘6時始発のバスは10台も出たらしい。北沢峠周辺は大混雑のようだ。テント場は空いていたし,仙丈小屋も少なめの泊まり客でゆっくりくつろげた私は運が良かった。少なくとも土曜日には下山するのがいい。

 このあと,入漁券を購入して小黒川を探った。その後,仙流荘で入湯して足や膝の疲れをとり,冷やし中華を食べて横になってから15時に岡山に向け出発した。途中17時10分内津峠でガソリンを入れ,走りに走って20時37分山陽ICを降りた。帰りは何のトラブルもなかった。ただ,周囲を走る車とそのドライバーには注意したい。

 さて,来年の話だが,星野写真を撮るのも楽しいとなると,どこかのテントサイトでのんびりできるところがいいな。となると,簡単なところでは,椹島か。